UNISON SQUARE GARDENを聴いたら、ヒットの理由が分かりました
ユニゾンといえば、TIGER&BUNNYか血界戦線の人たちっていうイメージが強いと思う。かくいう僕もその一人。
僕の中でのユニゾンは、タイバニのオリオンをなぞるで知り、オリオンをなぞるで終わった。
残念ながら僕の家の貧弱なスピーカーではユニゾンの魅力は引き出せず、やたらポップなバンド、という認識しかしていなかった。
だから、たまにテレビやネットで名前を見ても「流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い」と思い、曲を聴かなかった僕を誰か殴ってきてください。
特徴のある歌詞
ユニゾンの特徴として言葉遣いの変わった歌詞がある。
オリオンをなぞる こんな深い夜
つながりたい 離されたい つまり半信半疑あっちこっち
新未来を願う 空前絶後の
言葉がもし、もし紡げるなら 時間が止まるよ
≪オリオンをなぞる≫
前記したオリオンをなぞるのサビの歌詞。
そもそも、オリオンをなぞるとはなんのことだろう。指で触れる? 目で見る?
新未来なんて言葉はないし、 半信半疑あっちこっちは語感が良すぎる。支点力点作用点くらい良い。
耳にしただけでは分かりにくく、歌詞カード見てもいまいち分からない。でも、音に乗せるのが上手いのか妙に印象に残る歌詞。
スリーピースバンドということ
ユニゾンはギターボーカル、ベース、ドラムの三人編成。スリーピースのバンドなんだけど、やっぱりスリーピースってどうしても音が薄くなる。楽器の数が少ないから当たり前なんだけど。
しかも、歌いながら弾かないといけないのでシンプルなフレーズが多くなりがち。だから、僕はあまり聴かない。僕はキッズなので、頭の悪そうな足し算の(音の数が多い)音楽ばかり聴いている。人間はいつになればクラシックとか聴くようになるんですか、教えてください。
で、ユニゾンなんだけど、彼らは引き算の音楽なんですよ。
一番のヒット曲、シュガーソングとビターステップ。
聴いてもらえれば分かる通り、イントロでは軽快でポップなギターを鳴らすが、Aメロではベースとドラムのみで進行する。
これはベース、ドラムの技術があるのは勿論だけど、スリーピースという制限を逆手に取った表現。それにしてもベースが動く動く。物理的にも。作詞作曲やっているらしいし、やるなベーシスト田淵智也。
スリーピースバンドはベースが一番重要だと思っている。なんなら、ベースに十分な技術がなければ、スリーピースのバンドは聴く必要ないとまで言える。
それくらい、スリーピースバンドに於けるベースがもつ役割は大きい。ユニゾンはその点、あれくらいベースが派手な働きをするのであれば、十二分だろう。なんなら少しウザったいくらい。
あとはボーカル。音が少ないってことはボーカルにフィーチャーすることが多くなるんだけど、少し癖があって、あの高音であのルックス。しかも早稲田卒らしい。さらには帰国子女。うむ、控えめに言って天国に行ってほしい。
王道中の王道
ご飯食べててたまに「普通にうまい」っていう人いるけど、これって褒めてるのかなんなのか分からない。想像は超えてこないけどうまい、くらいか。
で、ユニゾンなんだけど、彼らの音楽って王道なんですよ。邦ROCKの王道中の王道。悪く言えばありきたり。
じゃあ、なぜ彼らの音楽がヒットしたのか。
それは単純明快。純粋な曲のクオリティの高さ。ユニゾンの曲は「普通に良い曲」なんです。
欠点を書こうにも書けない、完璧感。派手さは少ないが、すっーと飲み込める曲達。
欠点があるとすればボーカルの癖があまり好きじゃないくらい。ただその癖も、ユニゾンの曲にあっているので何も言えないし……。
ユニゾンの初めて聴くのにもかかわらず、耳なじみの良い楽曲はクオリティの高さに起因しているのだと思う。しかも、ただ聴きやすいんじゃなくて、ヘンテコな歌詞(褒めてるよ)が違和感の引っ掛かりになって、印象深くなる。
ベースラインやドラムのしっかりとした土台のお蔭で、スリーピースなのにも関わらず聴くたびに発見があるのも、ある種の中毒性のような感覚を生み出しているのだろう。
キャッチ―でポップなサウンド。
ボーカルの爽やかなルックスと声。
しっかりとしたベースとドラム。
印象的な歌詞。
売れる理由は揃っている。
UNISON SQUARE GARDENは最高に普通なバンドだ。