Fear, and Loathing in Las Vegasという変態バンド
たぶんアフリカでの撮影で部族の方が写りこんでしまったんだと思う。
Fear, and Loathing in Las Vegas、知っているだろうか。
この26文字もあるバンド名、どこかで見たことあるという人も少なくないかも。
上のアー写を見て、どんな曲を作るバンドか分かった方はいるだろうか。
分かった奴は超能力者か、ギュドンドンド族の人間。でも、そんな奴はいないと思うので、とりあえずPVを。
お分かりいただけただろうか。
初期の名曲、Love at First Sight。通称、一目惚れ。
スクリーモにエレクトロの要素を取り入れた、ピコピコしてるスクリーモで「ピコリーモ」と呼ばれ、一時期ちょっとしたブームになった。というか、ラスベガスをパクったようなバンドが結構いた。今はもう見ないけど……。
そして、驚くことにこの曲を発表した時のメンバーの平均年齢は二十歳前後。めまいがする。おえっ。
バンドマンの若年化が激しい近年ではあるが、「メンバーの平均年齢〇〇歳!!」なんていう風に書かれているバンドの9割はすぐに消えているのが現状。この頃からおよそ7年もの間売れ続けるということは凄いことだ。
癖になるダサさ
このPVを見れば大体の世界観が分かる。
ツインボーカルの謎ダンス、オートチューンを使用した高音ケロケロボイス、様々な表現をするスクリーム、最初っから最後までアクセル全開のサウンド、あと目に厳しい画。体調悪い時に見ると吐くから気を付けて。
ラスベガスらしさ全開の曲なんだけど、一番らしい部分は途中のスクリームで「あたたたたたた~」って叫んでいる所だと思うんですよ。普通のバンドにあの発想は出来ないでしょう。北斗百烈拳だし。 ちなみに歌詞はついてないのでご安心を。
このPV以外では、カニ歩きをしたり、木に登ったり、マイクを咥えたり、三点倒立したりしている。最終的にはゴールデンボンバーみたいになるんじゃないかと危惧しております。
普通に考えるとダサいんだけど、ラスベガスマジックでかっこよく見えてしまう。それがラスベガスの魅力の一つ。
変態性
左クリーンボーカルSo、右ギターTaiki
ラスベガスは変態だ。いや、見た目の話じゃなくて、音楽性の話ですよ。
彼らは色々な音楽ジャンルを飲み込んで、ごちゃ混ぜにした曲を作っている。
食べ物で言うと、寿司とカレーとパクチーと北京ダック組み合わせたら、今までになかった旨い料理ができたって感じ。まさに奇跡。
ラスベガスの曲はパっと思いついただけで、メタル、EDM、ハードコア、パンク、JPOP、ファミコンなどの要素がある。これらの様々なジャンルの音楽をカオスに混ぜ合わせ、できているのがラスベガスの音楽だ。
しかも、ただ単純につぎはぎで作っているわけではなく、卓越したバランス感覚でミックスし完全オリジナルの曲を生み出す。
普通のバンドならあれだけの要素を加えたら、ごちゃごちゃした訳の分からない音楽になってしまう。
主婦レベルの奴が、寿司とカレーとパクチーと北京ダック組み合わせたら、それは間違いなく生ごみだ。
このバランス感覚こそラスベガス最大の武器であると僕は思う。そして、それこそが変態である所以だ。
終わりに
そしてそんなラスベガスが2年ぶりのアルバム、『New Sunrise』が10/25に発売します。買います。買いましょう。
僕がアフィリエイトやっていればアマゾンのリンクでも貼るんだけど、やってないので自分で調べて買ってくれ。
それでは。
※レビューしました↓↓
UNISON SQUARE GARDENを聴いたら、ヒットの理由が分かりました
ユニゾンといえば、TIGER&BUNNYか血界戦線の人たちっていうイメージが強いと思う。かくいう僕もその一人。
僕の中でのユニゾンは、タイバニのオリオンをなぞるで知り、オリオンをなぞるで終わった。
残念ながら僕の家の貧弱なスピーカーではユニゾンの魅力は引き出せず、やたらポップなバンド、という認識しかしていなかった。
だから、たまにテレビやネットで名前を見ても「流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い」と思い、曲を聴かなかった僕を誰か殴ってきてください。
特徴のある歌詞
ユニゾンの特徴として言葉遣いの変わった歌詞がある。
オリオンをなぞる こんな深い夜
つながりたい 離されたい つまり半信半疑あっちこっち
新未来を願う 空前絶後の
言葉がもし、もし紡げるなら 時間が止まるよ
≪オリオンをなぞる≫
前記したオリオンをなぞるのサビの歌詞。
そもそも、オリオンをなぞるとはなんのことだろう。指で触れる? 目で見る?
新未来なんて言葉はないし、 半信半疑あっちこっちは語感が良すぎる。支点力点作用点くらい良い。
耳にしただけでは分かりにくく、歌詞カード見てもいまいち分からない。でも、音に乗せるのが上手いのか妙に印象に残る歌詞。
スリーピースバンドということ
ユニゾンはギターボーカル、ベース、ドラムの三人編成。スリーピースのバンドなんだけど、やっぱりスリーピースってどうしても音が薄くなる。楽器の数が少ないから当たり前なんだけど。
しかも、歌いながら弾かないといけないのでシンプルなフレーズが多くなりがち。だから、僕はあまり聴かない。僕はキッズなので、頭の悪そうな足し算の(音の数が多い)音楽ばかり聴いている。人間はいつになればクラシックとか聴くようになるんですか、教えてください。
で、ユニゾンなんだけど、彼らは引き算の音楽なんですよ。
一番のヒット曲、シュガーソングとビターステップ。
聴いてもらえれば分かる通り、イントロでは軽快でポップなギターを鳴らすが、Aメロではベースとドラムのみで進行する。
これはベース、ドラムの技術があるのは勿論だけど、スリーピースという制限を逆手に取った表現。それにしてもベースが動く動く。物理的にも。作詞作曲やっているらしいし、やるなベーシスト田淵智也。
スリーピースバンドはベースが一番重要だと思っている。なんなら、ベースに十分な技術がなければ、スリーピースのバンドは聴く必要ないとまで言える。
それくらい、スリーピースバンドに於けるベースがもつ役割は大きい。ユニゾンはその点、あれくらいベースが派手な働きをするのであれば、十二分だろう。なんなら少しウザったいくらい。
あとはボーカル。音が少ないってことはボーカルにフィーチャーすることが多くなるんだけど、少し癖があって、あの高音であのルックス。しかも早稲田卒らしい。さらには帰国子女。うむ、控えめに言って天国に行ってほしい。
王道中の王道
ご飯食べててたまに「普通にうまい」っていう人いるけど、これって褒めてるのかなんなのか分からない。想像は超えてこないけどうまい、くらいか。
で、ユニゾンなんだけど、彼らの音楽って王道なんですよ。邦ROCKの王道中の王道。悪く言えばありきたり。
じゃあ、なぜ彼らの音楽がヒットしたのか。
それは単純明快。純粋な曲のクオリティの高さ。ユニゾンの曲は「普通に良い曲」なんです。
欠点を書こうにも書けない、完璧感。派手さは少ないが、すっーと飲み込める曲達。
欠点があるとすればボーカルの癖があまり好きじゃないくらい。ただその癖も、ユニゾンの曲にあっているので何も言えないし……。
ユニゾンの初めて聴くのにもかかわらず、耳なじみの良い楽曲はクオリティの高さに起因しているのだと思う。しかも、ただ聴きやすいんじゃなくて、ヘンテコな歌詞(褒めてるよ)が違和感の引っ掛かりになって、印象深くなる。
ベースラインやドラムのしっかりとした土台のお蔭で、スリーピースなのにも関わらず聴くたびに発見があるのも、ある種の中毒性のような感覚を生み出しているのだろう。
キャッチ―でポップなサウンド。
ボーカルの爽やかなルックスと声。
しっかりとしたベースとドラム。
印象的な歌詞。
売れる理由は揃っている。
UNISON SQUARE GARDENは最高に普通なバンドだ。
【Song】サカナクション / 夜の踊り子【レビュー】
誰しもが絶賛する、とまでは言わないが、嫌いな奴がいないバンドってあると思う。
大御所のMr.children、若手で言えばSuchmos。嫌いというやつがいるとすれば、そいつは捻くれ者か、売れないバンドマンだろう。
で、その筆頭がサカナクションであると思う。
音楽好きから主婦まで、サカナクションが嫌いなやつを僕は見たことがない。
新しい曲を発表するたびに、驚きを与えてくるサカナクション。この曲も驚きに満ちている。
意味不明な曲構成
イントロ、一音目から印象的な透明感のあるシンセがなり、それに続けとばかりに軽快なドラムとベースがリズムを刻む。サカナクションはシンセに耳を持って行かれがちだけど、リズム隊が実にいい働きをする。
この曲の主役となるのはBa.草刈とDr.江島の二人。ベース音楽かよ、ってくらいこの曲は特にベースが気持ちいい。ベースだけでご飯三杯はいける。いや、無理だ、音楽じゃ飯は食えん。
そしてAメロではVo.山口が淡々と歌い、コーラスが徐々に楽曲のテンションを上げていく。
そして曲の核ともいえる、Bメロ。「どこへ行こう どこへ行こう~」から始まり、リスナーは「お、サビだな」と身構える。
だがしかし、テクニシャン山口は焦らす。サビが来るぞ来るぞと溜めておきながら、イントロのシンセに戻り、何事もなかったかのようにAメロに再度移行する。
そしてAメロから再びBメロになり、どう展開するんだろう、となったところで大爆発である。なんとサビがあったのだ。
そこからは、フラストレーションが一気に解放されたように、ラストまで一気に駆け抜け、リスナーの口があんぐりしている間に終わりを迎える。
聴き終わってみれば、なんと濃厚で濃密で濃縮された曲だろう。
どういう頭を持っていればあのような構成にするのだろうか。
A→B→サビ→A→B→サビ→C→サビなんていう構成であれば、ここまで印象に残る曲にはならなかったはずだ。
焦らす、という行為は恋愛においても有効で、焦らせば焦らすほどに期待感を高め、印象に残り、その先にあるものがより良いものだと感じる様になる。
同じものでも、誰かに与えられたものより、自らが苦労して得たものの方が価値のあるもののように感じるだろう。
この曲は5分くらいなんだけど、サビが来るまでになんと3分間も焦らし続ける。
3分あれば、メロコアなら1曲聞き終わるし、ウルトラマンは星に帰るし、ボルトだったら2kmくらいは走ってる。
そんな長い間焦らして、あのサビだ。脳が破壊された。合法ドラッグだよこれ。
印象的な繰り返す歌詞も、大脳あたりを刺激してくる。PVもわけわかんねぇ。トリップしてるみたいだ。頬こけすぎだし。ゆっくりこっち向くシーンホラーだし。
間違いない、山口一郎は変態だ。それか、薬物中毒者。普通の人間にこの曲は作れない。
これからも僕の脳を蕩けさせてくれサカナクション。
それでは。
04 Limited Sazabysが嫌いなのは僕だけなんでしょうか
今や飛ぶ鳥を落とす勢いのフォーリミこと04 Limited Sazabys。WANIMAと共にメロコア界の先頭を走っているバンド。
WANIMAも込みでなんだけれど、メロコアという半分死にかけのジャンルで、どうしてここまで売れているのだろう、と不思議に思う。
なんてことを言うとディッキーズの民と、いかつい兄ちゃんに叩かれそうなので大声では言えないが、メロコアにあまり興味のない人間はそう思っているに違いない。
メロコアはTKGのようなもの
TKG……みんな大好き卵かけごはん。
卵かけごはんって完成された料理だと思うんですよ。
必要最低限の食材と調味料、美味しさ、すべてを兼ね備えている。こればっかり食べ過ぎると体を壊すけど、食べ過ぎが良くないのはどんな食べ物でも一緒。
昔から食べられていて、いまでもチョイ足しつってアレンジレシピが溢れている。でもアレンジしたやつじゃなくて普通のが一番うまい。
そう、メロコアも同じである。
必要最低限の人間と楽器。美味しさ=技術。聴きすぎるとすぐ飽きるし、頭も悪くなる(なんかごめん)
昔(ハイスタ)から存在していて、今でもフォーリミ、WANIMAなどのバンドが出てくる。そして、変に個性を出したりするよりシンプルな方が良い。
TKG=メロコアの等式が出来上がったと思う。
出来てねぇだろ、と思った方はお知らせください。良い学習塾を知っています。
メロコアってそもそも、曲に幅を持たせにくいジャンルで、メロコアバンドってだいたい同じような曲じゃないですか(お前がメロコア興味持ってないからだ、とか怒らないでください)。流行りのEDMなんかもそうなんだけど、やり尽くされた感のあるジャンル。
つまり、個性を出しにくいジャンルということ。
だからWANIMAは馬鹿みたいに笑って、ど直球の超ポジティブソングを歌うという味付けをして個性を出している。
TKGで例えると、ベーシックなTKGに味の素かけた程度の味付け。これくらいが一番うまい。(WANIMAは別に好きじゃないけど......)
で、フォーリミの味付けはTKGにチーズとケチャップかけたような味付け。しゃれおつ。
そんな味付けが僕は嫌いだ。
メロコアだけど、メロコアじゃない
フォーリミを語るうえで外せないのが、Vo.GENの声だと思う。やはり、一番印象に残る。
少年みたいな、声変わりをし忘れたようなハイトーンボイス。〇〇〇ンのくせになにが少年だよ、このやろう。
僕はあの耳がむず痒くなる声が苦手だ。 嫌いじゃないけど、生理的にムリってやつなのだろうか。どうしても聴くほどに不快。イントロかっこよくても、歌が入ると「あぁ……」ってなる。あとやっぱりよくよく考えると普通に嫌いだった。
フォーリミというバンド自体は、演奏技術もあるし、いい意味でメロコア臭さの抜けた楽曲は、聴きやすい。パンクかどうかは知らん。
見た目もギラギラしたメロコアらしさがなく、曲同様に爽やか。それが嫌いって人もいると思うが、モテない男の僻みなので無視してよし。僕はそれに関してはどうでもいいが。いや、やっぱり嫌いだ。
あ、顔ファンのメスガキはちゃんと曲聞けよ。
映像でしか見たことないがライブパフォーマンスも良かった。ライブだと声もCDよりかは聴ける。まだまし、程度だが。
そもそも、やはりメロコアって男の音楽だと思うんですよ。汗だくでちっさいライブハウスで、髭のいかつい兄ちゃんが熱く歌い上げる音楽のはず。泥臭さというのが重要な要素ではないかと。
ところが、フォーリミは対極。
なにせ爽やかで、聴きやすい。スタイリッシュ。
サウンド的には間違いなくメロコアなんだけど、上手いことポップ(語弊があると思うけど)に仕上げている。その『上手いこと』の中心が、GENの歌声。
そして、なによりあのルックスだ。汗臭いってよりは、8×4って感じ。顔ファンがいるのも分かる。
ライブハウスより、晴天の夏フェスって感じ。売れるな、これは。
あざと過ぎるだろう……。朽ちろ。
それでも04 Limited Sazabysは嫌い
僕はなぜこんなにもフォーリミが嫌で仕方がないのだろう。
メロコアらしさが薄いからなのだろうか。たぶんそうだ。
彼らの音楽はメロコアではない。
正確には、フォーリミ流の新しいメロコア。もはやTKGじゃなくてオムレツ。
きっと彼らの音楽は革新的な事なんだと思う。初めて聴いたとき衝撃を受けたのは間違いないし。
メロコアというジャンルでここまでブレイクするのは並大抵ではないことだと思う。挑戦的に新しいことをやっていて、尚且つリスナーに受け入れられているのは正直すごい。
だが、それでもやっぱり僕は04 Limited Sazabysが嫌いだ。
【Song】藍坊主 / ジムノペディック【レビュー】
歌詞が文学的だとか、詩的だとか、哲学的だとか、そういう歌詞に力を入れたバンドがある。
有名どころではスピッツやサカナクション、クリープハイプ、あとはamazarashi先生など。
若手で言えばさよならポエジーとか。
藍坊主もそんなバンドのひとつ。
自己を肯定する歌詞が特徴。あとは、物語性のあるものや、比喩がすごいものなど。今回の曲の歌詞は比喩がすごいやつ。
ま、歌詞としては明るいamazarashiと思っていただいても良いかもしれない。
表現の美しさ
曲としては、悲壮感のあるピアノのイントロから、激しくも切なさを感じるギター。曲の要所要所でギターの裏で鳴っているピアノが美しく、全体的に明るいのに泣ける雰囲気がある。
サビではVo.hozzyの透明感のある高音。ABメロではどこか閉塞感があったが、サビで開けた印象になる。この青春っぽさは藍坊主の魅力の一つだと思う
そして、美しい文学的な歌詞。
アルミホイールを噛んだ味がしそうな火曜日
ジムノペディはゆっくり水をかけてく
この世界がふやけてしまうその前に、
笑ってくれよ
そしたら僕は骨がバラバラになるくらい
風に吹かれて
もう一度君に会いにくるから
純文学です。比喩の化け物。印象派の絵画の様な表現。
アルミホイールを噛んだ味がしそうな火曜日……意味はよくわからないけど、とりあえず嫌な感じがするってことだろう。
母の作ったおにぎり食べるとたまになるやつ。鳥肌。
でもなんで、アルミでおにぎり包むんだろう。不思議。
目の前にある機械で調べる程でもないくらい不思議。
閑話休題。
ん? 骨がバラバラになるくらい風に吹かれて……?
骨がバラバラになるくらいの風? それは本当に風だろうか。風遁の術では? 風遁・螺旋手裏剣だろう、たぶん。
難解。僕の様な保育園卒の馬鹿にはただただ「深い……」としか言えない。
しかし、芸術とはそういうものだろう。凡人には理解し難いもの。
コンテンポラリーダンスを見ても、「なんかくねくねしてる」とか「なんか叫んだ!」くらいの感想だし、現代アートは「文房具屋の試し書きコーナーみたい」とか「ゴミかな?」としか、凡人には理解できない。
つまり、芸術である藍坊主の音楽も、僕にはその芸術的な美しさの上澄みしか味わえていないのであろう。それでもいいのだ。
たとえ上澄みだけだったとしても、藍坊主の曲が素晴らしいのは間違いない。
凡人の稚拙な言葉では表現できない、藍坊主。
たった5分17秒の芸術。
凡人ども、よく噛みしめて。
それでは。